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全体像の把握:効果的な防犯対策の基盤を構築するために

防犯対策を効果的に行うためには、単に防犯設備を設置するだけでなく、段階的なプロセスをしっかりと踏むことが重要です。まず防犯の目的を定め、次に施設の特性やリソースに合わせた具体的な計画を策定し、最後にその対策の評価と改善を行うことで、施設全体に安定的かつ持続的な防犯体制を築くことができます。


防犯対策の基本的な手順は以下の通りです

以下の手順で進め、必要に応じて後戻りをしながら修正し、完成させていきます。


  1. 戦略の策定

    • 目的の設定

  2. 計画の作成

    • 守るべきものの一覧化

    • 脅威の一覧化

    • 対策の範囲とスコープの明確化

    • 全体像の把握

    • 組織体制の構築

    • 脆弱性の一覧化

    • 対策の策定

  3. 評価、改善

    • 評価方法の作成

    • 改善プロセスの構築


今回のコラムでは、計画作成の重要なステップである「全体像の把握」について深掘りします。この段階で施設全体の構造や動線、設備配置、リスクエリアを明確に把握することで、防犯体制の基盤を確立することができます。





なぜ全体像を把握することが重要なのか

施設の防犯対策には、監視カメラや入退室管理などの設備だけでなく、設置場所や運用方法が密接に関わります。全体像を把握することにより、対策をばらばらに導入するのではなく、施設内外の各エリアがどのように連携するべきかを視覚化し、必要なリソースを適切に配分することができます。


  • リスクポイントの特定: 施設の動線や出入口、管理区域の全体像を把握することで、リスクが集中するポイントや、外部からの侵入リスクが高い箇所を明確にします。

  • 防犯体制の一貫性: 個別対策では対応しきれないリスクを統合的にカバーし、全体的な防犯体制の強化を図ることができます。

  • リソース配分の最適化: 複数の対策を組み合わせ、限られたリソースを効果的に利用することで、最も効果的な防犯を実現します。



全体像を把握するためのステップ

全体像の把握において、以下のステップが重要となります。


1. 施設の全体的な配置と動線の確認

まずは、施設内外のレイアウトや動線を把握し、全体の構造を理解することが必要です。従業員や利用者の出入り、一般来訪者の通行ルートなど、さまざまな動線を明確にすることで、施設内の各エリアに対する防犯対策のニーズが浮き彫りになります。


  • 出入口と動線の確認: 主な出入口や非常口などの配置を把握し、外部からのアクセス可能な経路を確認します。

  • リスクエリアの特定: 人目が届きにくいエリアや、通常利用しない動線をリスクエリアとして特定することで、重点的に対策を講じるべき場所が明確になります。

  • 利用時間帯の特定: 施設の使用時間に応じた動線も重要です。特に夜間や休日など、人の出入りが少ない時間帯はリスクが増大しやすいため、その特性に合わせた対策を考慮します。


2. 防犯設備の位置とカバー範囲の確認

防犯カメラやセンサーなどの設備がどこに配置されているか、カバーできていないエリアはどこかを把握することが重要です。設備がカバーする範囲を見える化することで、必要に応じて追加の設置や調整が可能になります。


  • 設備の位置確認: 監視カメラ、センサー、照明の位置を確認し、施設内外のカバー範囲を洗い出します。

  • 未カバーエリアの把握: 設備の死角やカバー範囲外となるエリアがないか確認し、追加が必要な設備や配置の見直しを検討します。

  • 警報装置の設置状況: 不審者の侵入を即座に検知するための警報装置の設置箇所を確認し、緊急時の迅速な対応が可能かどうかを評価します。


3. 防犯体制と従業員の配置を見直す

施設の規模や特性に合わせて、防犯に関わる人員の配置も全体像を把握する際の重要な要素です。誰がどのように防犯体制をサポートするのかを明確にし、必要に応じて訓練や教育を行うことで、施設全体の防犯意識を向上させます。


  • 防犯担当者の配置: 特にリスクが高いエリアに防犯担当者を配置し、入退室の確認や不審行動の早期発見に備えます。

  • 防犯意識の浸透: 全体像を共有し、従業員の防犯意識を高めるための教育やトレーニングを行います。

  • 緊急時対応の役割分担: 万が一の際に誰がどのように対応するのか、役割を明確にし、全体の動きが滞りなく進むよう体制を整えます。


全体像の把握による効果

全体像を把握することで、各対策が一貫して機能し、効率的な防犯体制が確立されます。施設全体を俯瞰し、防犯体制の漏れや不備を事前に発見することが可能になります。


  • リスクの可視化: 出入口や設備、動線などの構成を確認することで、リスクエリアが視覚的に把握でき、防犯対策が施されていないエリアも見つけやすくなります。

  • 効果的なリソース配分: 設備や人員を最もリスクの高い場所に優先的に配置することができ、対策効果が向上します。

  • 防犯意識の向上: 施設全体で防犯対策を一貫して行うことで、従業員や利用者も防犯意識が高まり、安心して利用できる環境を提供します。


まとめ

防犯体制を構築するための「全体像の把握」は、防犯対策の基盤を形成する重要なステップです。施設の構造や動線、設備の配置とカバー範囲、人員の配置を含む「防犯マップ」を明確にすることで、次の「組織体制の構築」や「脆弱性の一覧化」などの段階での効率的な対策が可能になります。施設全体の安全を守るためには、全体像の把握を通して、現状を的確に把握し、持続可能な防犯体制を築くことが必要です。


SIPのサポート体制について

SIPでは、医療機関、学校、店舗などの各施設に合わせた防犯対策やカスタマーハラスメント対策の総合的サポートを提供しています。元警察官や防犯の専門家が現場経験を活かし、各施設のニーズに即した最適なソリューションを提供しています。

SIP独自のフレームワークを用い、お客様のニーズに合わせた防犯戦略、計画、マニュアルを構築し、具体的な施策の提案や従業員教育を通じて施設全体の安全強化をお手伝いします。防犯やカスタマーハラスメント対策に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。大阪府、京都府、兵庫県、奈良県を中心に全国対応しております。

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