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福祉施設における防犯計画書の作成方法

更新日:2024年10月21日

福祉施設は、高齢者や障害者などの支援を必要とする人々が多く集まる場所であり、特に安全性の確保が求められる環境です。利用者の安全はもちろん、施設スタッフや訪問者の安全を守るために、効果的な防犯対策が不可欠です。今回は、福祉施設向けの防犯計画書の作成と、その具体的な対策について解説します。



1. 目的の設定

福祉施設における防犯計画書の主な目的は、施設利用者とスタッフの安全確保、不審者の侵入防止、施設や機密情報の保護です。また、緊急事態が発生した際には、迅速に対応できる体制を整えることが不可欠です。これらの目的に基づき、防犯計画の全体像を明確にします。


2. 守るべきものの一覧化

福祉施設において守るべき対象をリストアップします。福祉施設では、高齢者や障害を持つ利用者が中心であり、特に身体的弱者を守るための対策が重視されます。


  • 利用者(高齢者、障害者など)

  • 施設スタッフ

  • 医療・福祉機器

  • 機密情報(利用者の健康記録や個人情報)

  • 施設設備


3. 脅威の一覧化

福祉施設で想定される脅威には、外部からの不審者の侵入、内部トラブル、個人情報の漏洩などがあります。施設利用者が外部に出てしまうリスクや、無断で侵入者が施設内に入るリスクも考慮しなければなりません。


  • 不審者の侵入

  • 施設利用者の逸走(外出)

  • 盗難(医療機器、個人情報)

  • ハラスメントや暴力行為

  • サイバー攻撃(個人情報や医療データの漏洩)

    ※サイバーセキュリティ対策については、基本的な記載に留め、別途計画を策定することが推奨されます。


4. 全体像の把握

施設全体の防犯体制を一目で把握できるフロー図や、緊急時対応フローを作成します。これにより、どのスタッフがどのタイミングでどのように動くべきかを明確化し、効率的な対応を促進します。


5. 組織体制の構築

施設内の防犯責任者を明確にし、各フロアやゾーンごとに担当者を配置します。緊急時の指揮系統やエスカレーション手順を定め、地域の警察や救急サービスとの連携体制を整えます。


  • 防犯責任者の明確化

  • 各フロア・ゾーン担当者の配置

  • 緊急時の指揮系統・エスカレーションの設定

  • 外部機関(警察、消防、救急)との連携体制


6. 脆弱性の一覧化

施設内外の防犯上の脆弱性を洗い出し、対策を検討します。例えば、施設内の出入り口が監視されていない、外部の訪問者の出入りが自由すぎる場合など、リスクのある場所や状況を特定し、改善策を講じます。


7. 対策の策定

福祉施設における対策の策定は、施設の特性を踏まえた具体的な防犯手段を検討し、それを現場で実行可能な形に落とし込むことが重要です。福祉施設では、高齢者や障害者など、特に身体的に弱い人々が多く集まるため、その安全を確保するために独自の対策が必要です。以下に、具体的な防犯対策を詳述します。


従業員マニュアル・管理職対応マニュアル

従業員と管理職には、各役割に応じた防犯マニュアルを用意します。特に、福祉施設の特性に応じた内容が含まれるべきです。例えば、利用者がトラブルに巻き込まれた場合の対応や、認知症の利用者が迷子になった際の対応などが重要です。特に現場マニュアルは実践で活用できるように、短時間で習得できるシンプルなものを作成します。


  • 緊急事態の対応手順: 侵入者や暴力行為が発生した場合の迅速な対応策を記載し、従業員が現場で落ち着いて行動できるようにします。例えば、非常口の位置を把握させ、利用者を安全に避難させる手順をマニュアルに含めます。

  • 利用者や家族とのトラブル対応: 高齢者や障害者の家族とのトラブルも考慮したマニュアルを作成します。コミュニケーションのポイントや、法律的な対応が必要な場合の手順を明確に記載します。

  • マニュアルに基づいた訓練メニュー: マニュアルに記載した内容をとっさに実現できるような訓練を行います。福祉施設における法定の研修とも合わせて実施することで、体系的な理解に繋がり、時間の節約にもなります。


物理的な防犯対策

福祉施設では、物理的なセキュリティの強化が特に重要です。施設のオープンな構造が外部からの侵入リスクを高める可能性があるため、物理的な防御策は欠かせません。

  • 防犯カメラの設置: 施設の入り口、エレベーター、主要な廊下、駐車場、薬品庫など、犯罪が発生しやすい場所に防犯カメラを設置します。これにより、不審者の侵入を抑止し、事件が発生した場合の証拠としても機能します。特に、夜間の巡回や監視のサポートとしてもカメラの導入は有効です。

  • 入退館管理システム: 入退館時に利用者や訪問者の動線を把握できるシステムを導入します。非接触型の入退室カードや、訪問者に対してセキュリティカードを発行するシステムを活用し、許可のない人物の出入りを防ぎます。これにより、施設利用者のセキュリティが高まり、無断での立ち入りを防ぐことができます。

  • 利用者の無断外出防止対策: 認知症を患っている高齢者が多くいる施設では、無断外出を防止するための特殊な施策が必要です。例えば、施設の出口にセンサーやゲートを設置し、無断で施設を出ようとする利用者を検知する仕組みを導入することで、安全を確保します。


夜間の防犯強化

福祉施設は24時間体制で運営されていることが多いため、夜間の防犯強化が特に重要です。夜間はスタッフが少なくなるため、防犯計画において特別な配慮が必要です。

  • 巡回強化: 夜間の防犯カメラと連携しつつ、定期的な巡回を実施します。巡回チェックリストを用意し、各エリアでの不審者の確認や非常口の施錠確認を行うことで、異常事態に素早く対応できるようにします。

  • 夜間の訪問者制限: 夜間は特に不審者の侵入リスクが高まるため、訪問者の入館を厳格に制限します。事前登録された訪問者以外は、警備員や施設スタッフが確認した上で入館を許可する体制を構築します。


訪問者管理

福祉施設では、訪問者や外部業者が頻繁に出入りします。これに対する管理が緩いと、犯罪や事故のリスクが高まります。

  • 訪問者の事前登録と身分証明の確認: 外部からの訪問者には事前に予約をしてもらい、到着時に身分証明書を提示させるシステムを導入します。これにより、不審者の侵入リスクを軽減します。

  • 訪問者バッジの発行: 訪問者には目立つバッジや入館証を発行し、施設内を移動する際に常に着用させるルールを徹底します。これにより、施設スタッフは外部からの訪問者と内部のスタッフを一目で識別できるようになり、不審な行動が早期に発見できます。


8. コミュニケーション・フィードバック体制

防犯対策が機能しているかを定期的に確認するため、フィードバック体制を整えます。スタッフからの意見や現場の状況を定期的に収集し、防犯会議やミーティングを通じて、迅速に対応策を見直します。


9. 緊急対応体制

緊急時の対応フローや避難経路の整備も必要です。施設利用者の安全確保に加え、スタッフが迅速に対応できる体制を整えます。また、定期的な避難訓練や緊急時対応訓練を行い、非常時の行動が確実に実施できるように準備します。


10. BCP(事業継続計画)との連携

甚大な被害が発生した場合に備え、福祉施設ではBCP(事業継続計画)の策定が義務になっています。防犯対策が不十分だった場合でも、施設の運営を迅速に再開するための計画を事前に準備しておくことが重要です。


11. 評価・改善のプロセス

防犯計画書は定期的に評価し、新たなリスクや脆弱性が発見された場合には、速やかに改善策を講じることが重要です。防犯計画が常に最新の状態で機能するよう、半年に一度などの頻度で定期的に見直しを行います。


まとめ

福祉施設における防犯計画書の作成は、利用者やスタッフの安全を守るために欠かせない取り組みです。物理的な防犯対策と緊急対応体制を整え、定期的なフィードバックを通じて改善を図ることで、施設全体の安全性を向上させることが可能です。


SIPでは、福祉施設向けの防犯計画の策定から、スタッフの教育、物理的防犯対策まで、包括的なサポートを提供しています。経験豊富な専門家チームが、施設の特性に合わせた最適な防犯対策を提案し、現場に即した実践的なソリューションをお届けします。防犯や危機管理に関するご相談は、SIPまでお気軽にお問い合わせください。大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、を中心に、全国で対応しています。

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