top of page

見落とされがちな防犯の盲点:思わぬリスクを防ぐために

多くの施設や企業では、セキュリティカメラや警備員の配置、防犯用具の設置といった防犯対策が整備されています。しかし、これらの対策が万全であるとは限りません。むしろ、日常的に防犯対策が施されている環境では、「やっているから大丈夫だろう」という過信から、見落とされがちな防犯の盲点が存在します。思わぬリスクを防ぐためには、こうした隠れた危険を理解し、改善策を講じることが重要です。



1. 固定化された防犯習慣のリスク

防犯対策を長期間にわたって維持していると、その手順やルーチンが固定化され、職員が「慣れ」や「油断」を感じることがあります。例えば、セキュリティカメラや出入り管理システムに頼り切っていることで、人的監視や現場での確認が不十分になることがあります。


  • 人間の目による監視の重要性: 技術に頼りすぎると、現場での直接的な監視がおろそかになりがちです。定期的な巡回や、職員同士の報告体制を強化することで、技術に加え人の目による防犯対策を補完する必要があります。

  • 定期的なルーチンの見直し: 防犯手順が形骸化してしまわないように、定期的に防犯ルーチンを見直し、新たなリスクや変化に対応できるようにします。


2. 非常口や裏口の管理不足

多くの施設では、主要な出入り口にはしっかりと防犯カメラやセキュリティシステムが配置されている一方、非常口や裏口など、普段あまり使われない場所が見落とされがちです。これらの場所は侵入者にとっての格好の侵入経路となるため、警戒を怠らないことが重要です。


  • 定期的な点検とロックの確認: 非常口や裏口は、定期的に点検し、ロックが正しく作動しているか、無断で開けられていないかを確認します。

  • 警報システムの設置: 非常口や裏口には、警報システムを設置し、開けられた場合に警報が鳴るようにすることで、不正な侵入を防ぐことができます。


3. 心理的盲点:内部からの脅威

多くの防犯対策は、外部からの侵入者や犯罪者に対して焦点が当てられていますが、内部からの脅威にも目を向ける必要があります。例えば、従業員や取引先関係者が防犯対策を回避して犯罪行為に及ぶケースも考えられます。


  • 信頼と監視のバランス: 全ての従業員を疑うわけではありませんが、内部からの不正を防ぐためには、信頼と監視のバランスを取ることが重要です。特定の職員や取引先に過度に頼りすぎず、透明性を持った業務運営を行います。

  • アクセス権限の見直し: 従業員の役割やポジションに応じて、適切なアクセス権限を設定し、不要な情報やエリアへのアクセスを制限することで、内部犯罪のリスクを最小限に抑えることができます。


4. 避難訓練と防犯対策の混合不足

多くの企業や施設では、定期的に避難訓練が行われますが、防犯対策と避難訓練が統合されていないケースが少なくありません。防犯状況下での避難行動は、通常の避難行動とは異なる場合が多く、避難訓練だけでは防犯対策が不十分なことが考えられます。


  • 防犯シナリオを考慮した避難訓練: 刃物を持った侵入者など、防犯リスクを考慮した避難訓練を行うことで、緊急時の混乱を最小限に抑えることができます。訓練を通じて、防犯と避難行動を統合した対応を強化します。

  • 職員の役割分担の明確化: 防犯対策を含む避難訓練では、各職員の役割分担を明確にしておきます。誰が避難を指示し、誰が警察や防犯システムに通報するかをあらかじめ決めておくことが、スムーズな対応につながります。


5. 過信による油断とモラルハザード

高度な防犯システムや警備員が配置されている施設でも、「自分の施設は安全だ」という過信が、無意識のうちに防犯意識を低下させる原因になります。このような状況では、職員や利用者が小さな異常を見過ごすことが多くなり、結果的に大きなリスクを見逃してしまう可能性があります。


  • 小さな異常に対する敏感さを保つ: 日常の中で、少しでも異常を感じた場合には、警備員や上司にすぐに報告する文化を作ります。小さな違和感を見逃さず、早期に対応することで、潜在的なリスクを排除します。

  • 防犯意識の継続的な向上: 職員全員に対して、定期的な防犯講習やセミナーを実施し、常に最新のリスクと対策を共有することが重要です。これにより、防犯意識の低下や油断を防ぎ、モラルハザードの発生を抑えることができます。


結論

防犯対策が一見万全に見えても、見落とされがちな盲点は存在します。固定化された習慣、内部からの脅威、非常口の管理不足など、これらの要素に注意を払い、定期的に防犯体制を見直すことが重要です。思わぬリスクを防ぐためには、技術と人間の監視、意識の高さを組み合わせた総合的な防犯対策が必要です。過信せず、常に警戒心を持ち続けることで、見えないリスクを防ぎ、施設や職場の安全を確保することができるでしょう。


最後に、SIPでは、病院をはじめとする各施設向けに、防犯対策やカスタマーハラスメント対策を総合的にサポートしています。元警察官や専門家の経験を活かし、現場の状況に即した最適なソリューションを提供します。また、経験則だけではなく、実践理論に基づいた効果的な提案により、お客様の安全に貢献します。私たち独自のフレームワークを用いて、お客様のニーズに合わせた防犯戦略・計画・マニュアルを一緒に構築し、それらを基にした具体的な施策の提案、従業員教育などにより、施設全体の安全を強化するお手伝いをいたします。防犯やカスタマーハラスメント対策に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、を中心に、全国で対応しています。

bottom of page